神々のおわす島にて
 … Bulan madu ke Bali …

- 2 -
■ バリ島一日目 その1 ■

「・・・ケツが痛ぇ・・・」

 デンバザール空港に着いた時任の第一声だった。
 午後6時にデンバザールに到着した二人は飛行機から降りて入国審査を終え荷物がクレーンからでてくるのを待っていた。

「ゲームなら何時間でも座りっぱなしは平気なのにね」
「一緒にすんな。機内は退屈だったじゃんか」

 機内食に大福が出てはその意外さに驚き、映画を見ては笑い、ゲームをしてたりと結構楽しそうだったよね・・・とは思ったが言わないどいた。

「うー、でもまたこれから移動すんだよな」
「うん、ウブドまで車で一時間くらいかな」
「げー・・・遠いのな」
「お前が日焼けするのヤダって言ったんだから仕方ないっしょ?」

 バリ島は海側と山側の二種類ある。この時期の海側は非常に暑くすごく日焼けすると聞き『あんま日焼けしたくねー』という時任の意見を尊重し山側に決定した。といっても、海に行っても手のことがあるから泳げないので自然と山側となるのだが・・・

「あ、もう一つの荷物も流れてきた。取ってくるからそこで待ってて」
「んー」

 一人で先に出てきた荷物番してたら空港の制服みたいなのを来たオッサンが近寄ってきた。俺の荷物のタグを指差して

「なまえ、だいじょぶ?まちがいない?」

 と聞かれた。何故日本語?荷物検査の一環か?

「おう、間違いねぇ」
「いこ」
「え?」

 俺の荷物を持ってさっさと歩きだした!

「ちょっ待てよッ」
「ほらあそことおる」
「待てよッ俺には連れがいんだよッ」

 なんなんだこいつは!空港の職員にしちゃやけに強引じゃねーか?でもまだ空港でてねーんだから職員のはずだし・・・職員相手に下手に騒ぐのもためらわれあたふたとしていたら・・・

「時任・・・何してんの」
「久保ちゃんッ」
「あーそこの人、ほらこれあげるからどっか行って?」

 久保田はそう言ってコインのようなものを男に向けて放った。男がそれを受取ろうとした隙に時任の荷物を奪い取る。

「さ、行くよ」
「お、おう?」

 出口で税関申告書を渡してさっさと空港から出た。

「あれ何だったんだよ」
「鞄を運んで小銭を稼ぎたいただの民間人」
「ゲッ、空港内だってーのにそんなんいるのかよッ」
「うん、そうみたい」
「ちぇッあんなやつに小銭なんかあげるこたなかったのによ」
「小銭やらないと手を離さないから仕方ないの。それにやったのはたまたま持ってた1ペニーだから換金できないっしょ」
「換金できない?」
「そ、硬貨は換金できないらしいよ?」
「へー、ざまーみろだな。さすが久保ちゃん!」
「それはいいけどお前もも少し警戒心持ちなね」
「む・・・」
「さーて、ホテルに行きますか」

 ホテルからの迎えと合流しホテルへと向かった。





一日目その2




 このカバンオジサンにひっかかったのは私です。制服っぽいの着て空港内にいるなんて反則だよ!チップ払わないと荷物放してくれないしッ!しかも『500円、500円』なんて言うしよッ!ボリすぎだってーの!ムカついたので1ペニーだけ渡しました。友人に話したら『セント玉は換金できないからイイ気味よ』と教えてくれました。ふーんだ。
 ちなみに今回の旅は友人が先にバリに行って過ごしてて、後から私が参加する形になりました。だから一人だったので狙われやすかったのかもね。


2008.1.31








novel-index