Trick or Treat - 悪戯編- |
麻衣はナルの意地悪な質問に冷や汗だらだらで考えた。 ご馳走も、悪戯も、どちらも怖い。普段ですらついてけないのに、宣言されるとどんだけ割り増しになるのか想像もしたくない。 (ここは逃げた方がいいかも) 三十六計逃げるが勝ち、すなわち回答拒否!これ決定! 「あ、私ちょっと用事が…」 サッとナルの膝の上から降りようとするが、ガシッ!と腰を掴まれた。 「時間切れだ」 ニッコリと美しい笑顔の悪魔がそこにいた。 * * * 「逃げようとする根性が気に入らない。Trick決定だな」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい〜だから放して!」 「往生際が悪い」 ジタバタと暴れる麻衣を嘲笑うかのように、チーーーーッと音をたてて後ろのチャックが下ろされた。黄色と緑のカボチャ色衣装は肌蹴けられた。カボチャの妖精は一皮向ければ柔らかそうな白い桃のようなの中身だった。 「ちょっとナル!こんなとこじゃヤダッってば!」 騒がしい妖精は口を塞いでしまうに限る。噛み付くように唇を塞ぎ、強引に舌をねじ込む。 「んぅんん…ッ」 乱暴に中を掻き混ぜれば苦しそうな息が漏れるが、構わずに乱暴に舌を絡ませる。舌で歯列をなぞり、上顎をくすぐり、舌を甘噛みする。麻衣は激しいキスに息が上がり、抵抗して突っぱねてた腕は力を無くし、いつしかナルのシャツをすがるように掴んでいた。 抵抗が弱まった隙に邪魔な皮は全て剥いでしまう。 ブラジャーのホックを外し、肩ヒモを落とす。布は重力に負けて腕を滑り、隠していた柔らかなふくらみを曝け出す。同じく肩まで肌蹴られていたワンピースと共に、腕を抜かれて落とされた。 長い長いキスのあとに麻衣の唇を開放した頃には、麻衣の衣装は腰に絡まってるだけの状態になっていた。 「えっ!ヤダ!いつの間に…」 麻衣は肌蹴られた前を手で隠そうとするが、ナルが許しはしない。麻衣の両腕を邪魔されないよう後ろ手に束ねて片手で拘束する。手を後ろで固定されると体を反らす格好になるので、自然と胸を前に突き出す体勢になる。 「ヤダ!腕放して!」 麻衣は体勢の恥ずかしさに身悶えするが、二本の腕でがっちり固定されてて身動き出来ない。それどころかもっと体を反らされて胸を突き出す体勢をとらされた。 そして・・・ 「!!!!」 胸を食べられた。 といっても噛み千切って飲み込んだわけではない。胸に歯を立てて甘噛みして愛撫してるに過ぎない。ナルは麻衣の胸を大きく口に含み、歯をたて、舌で味を確かめながら味わった。普段はいきなり噛まれることなど無い。その粗野な愛撫は麻衣を驚かせ、同時にたまらなく感じさせられた。 「…ッ!それ…ヤ…だ…」 乳房を大きく口に含み、わざと音を立てるように吸っては舌を使う。キスではなく、獣がむしゃぶりつくように舌を使う。もっとも敏感な乳首を転がし、大きく吸い上げる。歯で甘く噛み刺激してやるたびに、ビクンッと麻衣の体が跳ねた。その弾力、反応を十二分で舌と歯で味わう。 片方の乳房は手で楽しむ。大きな手で胸を掴み、柔らかさを味わい、親指で中心を撫でては硬くしこった乳首を潰してこねて楽しんだ。 それを両方の乳房に施されてはたまらない。 麻衣は小さい悲鳴を幾度も漏らして体をビクビクと震わせた。ナルが満足するころには体をぐったりとしてナルに身を預けていた。 ナルは腕を放してやり、麻衣の体を自分の方に寄りかからせた。そしてリクライニングのレバーを引き、背もたれに身を預けた。 「キャッ!」 背もたれは90度から150度ほどに倒された。急に倒された麻衣は、倒れた時に腕を突き出すように手を前に出し、腕立てふせの体勢で身を支えている。いわゆる馬乗りの状態である。 「いい眺めだな」 「〜〜〜助平!」 恥ずかしさに伏せようとするのを腰を支えて阻止する。上からだと全体が見えないが、下からだと見えやすい。小さなへそも、小ぶりだが形の整った乳房も、突き出た鎖骨も全て見えた。 麻衣の上半身を眺めて満足したナルは、今度は下から乳房に吸い付いた。 「ぁんッ…!」 不意打ちをつかれて咄嗟に声を殺すことが出来なかった。可愛い声に気を良くしたナルは、胸の先端から鎖骨まで舌でなぞりあげる。そのまた上まで進み、首筋まで到達する。そのまた上、耳まで舌を這わせた。 「ひゃぁッ!」 麻衣は耳が弱い。首をすくめてイヤイヤと首を振る。それを無視して耳を口に含み、くちゃくちゃとわざと卑猥な音を立てながら甘く噛かんでやる。次第に猫が甘えて鳴くような鼻につく声を上げ始めた。 もっと声が聞きたくて、彼女が最も感じる場所に手を伸ばす。胸の次に柔らかい内腿を撫で上げ、ショーツの中に手を進入させる。 「んっやぁ・・・」 案の定、そこは既に濡れていた。 滑りに助けられながら亀裂をなぞってやると、麻衣は強い快感から逃れるように身をよじらせる。ぷくりと膨れた部分を親指で擦ってやると蜜を溢れさせ身悶える。 これなら大丈夫だろうと彼女の奥に二本の指を突き立てた。 「ッ!!!!!!」 瞬間、麻衣の体が跳ねた。 痛かったのか一瞬体が硬直したが、その場所を解すように掻き混ぜてやると、快楽に慣れた体はすぐに硬直を解き、手の動きを助けるように蜜を滴らせる。 ぐちゃぐちゃと、わざと音をさせながら乱暴に掻き混ぜてやる。 粘着質の水音が麻衣の脳髄を炙り、麻衣の嬌声がナルの脳髄を炙る。 「ん・・・んあッ・・・ふ・うん・・」 麻衣が快楽に身を委ね、ナルの指の動きにあわせるよう腰を揺らし始めた。 (もう良いだろう) ナルは麻衣のショーツをずり下げ片足を抜く。膝裏を持ち上げ足を広げさせて、ひくつく入り口に自らをあてがう。そして手を離した。 「んぁ・・あぁッ・・・あッ!」 麻衣は熱い息を漏らしながら、自らの重みでナルを飲み込んでいく・・・。 「んふ・・ナ・ル・・・ッ・・・!」 胎内に全ておさまると、ハァハァと荒い息をついてナルに縋った。 麻衣が落ち着いたタイミングを見計らい、一気に最奥を突き上げた。 「あぁあああッ!!!!」 麻衣は一際高い声を上げ、背を大きく弓なりにしならせた。 自分を馴染ませるようにゆるく腰を回すと甘い麻衣の声が上がる。もどかしい動きがたまらない。もっと強い刺激が欲しくて奥が疼いてしかたなかった。だがナルは麻衣を焦らすように緩慢な動きしかしてくれない。 「・・・ナ・・・ル?」 「何だ」 「何だって・・・」 言わずとも分かる筈。甘い吐息を漏らしながらナルに縋り、体を揺するがそれでも動いてくれない。はしたなくも、強い刺激を求めて勝手に体の内部が蠢きナルを締め上げる。それでもナルは動こうとしない。堪らなくなって自分で動きたくとも、ナルに腰を固定されて動けない。身の内から湧きあがる熱にいぶられて、頭がどうにかなってしまいそうだ。 泣きそうになって見下ろすと、至極楽しそうなナルと目が合った。 (こんのサディストめ!) 全部分かってて動かないヤツは酷く甘い艶のある笑を浮かべていた。悪魔の微笑ってこんな感じ?と思うような顔。私がこんなに身悶えても余裕な顔を崩さない。身の内にあるナルだって限界まで熱く大きくなっている。なのに何でこんな涼しい顔をしていられるのだろうか。自分だけ求めてるようで悔しく、また恥ずかしくてたまらない。 泣きそうな麻衣を満足気に眺め、ナルは麻衣の唇をチロリと舐めて「どうした?」と甘く囁やいた。全くどこまでも性質の悪い男だ。 「〜〜ナルの馬鹿!!」 「自分が馬鹿とは知らなかったな」 「エッチ!むっつりスケベ!」 「かもな」 「意地悪!冷血漢!性悪!」 「それで?」 「・・・・・・・・・動いて」 ナルは口の端を持ち上げて、麻衣に噛みつくようなキスをくれてやる。そして麻衣の望み通りに、大きく律動を開始させた。 「んぁ、ナぁ・・ル・・・ッ・・・!」 上下に激しく攻め立てられて、麻衣はひっきりなしに嬌声を上げる。 その激しさは麻衣が望む以上だ。 ナルは汗を滲ませ間髪入れずにガツガツと下から突き上げる。 悪魔のような男も我慢の限界だったらしい。 「ヤぁんッ…ぁッ…、…ぁッ!」 麻衣の体が震え始め・・・、 「あああッッ!!!」 「・・・・・、・・・・、くッ・・・!」 果てた。 蠢く胎内にたまらずナルも麻衣の中に吐き出した。 果ててぐったりとナルに凭れかかる麻衣の頭を撫でながら、 「ハロウィンも悪くない」 ナルは満足げに呟いた。 悪霊を退けるはずのカボチャの精は、そこらへんの悪霊よりよっぽど性質の悪い男にぺろりと食べられてしまった。 そんなハロウィンの夜。 (終わっとけ) |
『悪戯=いじめっ子の焦らしプレイ』でした。ご馳走の場合は麻衣にご奉仕を強請るの予定でした。ありがちネタですんませーん! 2012.1.10→2012.11.24拍手より移動 |
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