Favorite
週末の深夜にコンビニでセッタと近代麻雀とカロリーメイトを買う。

「2,045円となりますー」

レジで会計を済ませて外で待ってる時任の方を見る。
すると側に女が二人立っていた。
二人は時任に話しかけているが時任は戸惑ってるような顔をしていた。

『ナンパ?』

女なら害は無いし、ちょっと面白そうなので様子を見ることにした。


* * * * * *


久保ちゃんがコンビニから出てくるのを待ってたら突然話しかけられた。

「ねえ、君さここで誰待ってるの?」

見ると女の二人組みだった。
一人はストレートのロング、もう一人はウェーブがかかったセミロング、社会人っぽいカッコで結構年上っぽい。二人ともまあまあの美人。
うっすら顔が赤いから酒でも飲んでんのか?

「・・・ダチだけど」
「あ、やっぱり?」
「じゃあさ、お姉さんたちと一緒に遊ばない?」
「そのお友達も一緒でいいからさ」
「えっ?」
「うふふ、お姉さんたちがおごったげるからさ!行こ?」

二人は時任の腕に自分の腕をからめて引き寄せ歩き出そうとする。
腕に胸があたってなんだか振りほどきにくい。

「ちょ、ちょっと待てっ!どこ行くんだよ!」
「何処でもいーよー?」
「飲みでもカラオケでも、なんならこのままホテルへ直行してもいいわよ?」
「ホテ・・・いっいーよっ!離せよっ!」
「あら?もしかして経験ない?」
「うっそー、こんな可愛いのにー!お姉さんたちが教えてあげるー」
「いいって!離せよ!」

酔っ払ってるせいか女二人のくせにすげー力で引っ張ってこうとする。
女だから殴るわけにもいかねーし・・・

久保ちゃん早く戻ってこいよ!!


* * * * * *


あーらら、遊ばれちゃってるよ。
さすがの時任も女相手にはあんまり強く出れないみたい。

もうそろそろ助けてあげようかね
このままだと本当に連れてかれちゃいそうだし?
それに、戸惑ってる時任の顔は可愛いけど女にべたべた触られてるのは面白くない

近くにいってさも『今買い物終わりました』な感じで声をかける。

「時任ーお待たせー」

焦った顔だった時任が『天の助け』みたいな顔でこっちを見る。

「久保ちゃんっ!遅ーよっ」
「ごめんごめん、で?どちらさんがた?」
「知るかってーのっ、いいから離せよっ」
「なーにーお友達ー?一緒に遊びに行きましょうよ〜」
「あらっ結構イイ男じゃなーい!私はこっちにしよーかなー♪」

ストレートヘアのほうが俺に抱きつこうとするがするりとかわす。
ホストじゃないんだからねーお触り禁止よ?

「うーん、面白そうだけど遠慮しとくわ。俺たち予約済みなんだよね」
「えーっ!つまんなーい」
「じゃこっちの子は〜?」
「そっちもだーめ、予約済み」

?マークを顔につけて訳分からんって顔をしてる時任をぐいっと自分のほうへ引き寄せ女の手を外す。
そして頭をくしゃりと撫でて、頭へ軽く口付けて、お姉さん達に向かって微笑んでみせた。

「こういう訳だから、ごめんね?」

目を見開いて驚いてるお姉さん方に背を向けて、時任の手を引いてさっさと歩き出す。
暫くしたら「キャーッ♪」「ホモっ?」て声がきこえてきた。
女の人ってこのての話し好きだからねぇ。

「久保ちゃんっ!さっき何したんだよ!!あいつら変な顔してたぞっ」

あ、キスのこと?髪の上だから分かんなかったのね。
どうりで大人しいと思った。

「内緒♪」
「話せよっ」
「まあいーじゃない、助けてあげたんだから。それとも助けないほうが良かった?」
「何だよそれ・・・」
「だってさ、あのお姉さん方結構美人だったし?健康な青少年なら美味しい状況だったかなーって思って(そんなん許さないけど)」
「・・興味無い。お前はあーいうのが好きなのかよ」
「乳でかい女は結構好きよ、男の本能だし。女は嫌い?」
「嫌いっつーか・・・なんか見慣れない変な感じがするんで戸惑う。柔らけーし、俺の手こんなんだから大怪我させそうで怖ぇ」
「ふーん・・・」

童貞特有の恥じらう青臭い感じではなく、ホントに戸惑うように言うのが面白い。
周囲に女がいない環境で育ったのか?
んじゃ母親みたいな感じの女だったらどうだろう?
・・・あ、簡単に餌付けされて懐いてる姿が想像できた。

「じゃあ男は好き?」
「はあっ?好きなわけねーじゃんっ!気色ワリィ」
「だよね」

そういう思考は健全なのね。
言ったら怒るだろうけど女を組み敷いてるよりそっちのが似合う。
本人自覚無いみたいだけど。

「そういう久保ちゃんはどんなのが好きなんだ?」
「そうね、・・・猫っぽい子かな(横にいるような)」
「猫顔?」
「そう、ああこんな感じのが好き」

そう言ってポスターの女優を指差す。サラサラストレートヘアで小作りの小さい顔に大きなつり目が印象的。顔立ちもキツくて猫っぽい。密かに時任の女版だと思ってる。

「ふーん、あ、こういうんなら俺も好きかも」

お前そっくりなんだけどね。

もしかして時任ってナル?
んじゃ俺ってば完全対象外だあね。

・・・なんか軽くショックな自分がショックかも(笑)


* * * * * *


後日

また外で待ってる時任が誰かに絡まれてる。
よく見てみるとツリ目のホスト風の男だった。ホモっぽい。さっさと排除しようと近寄る。

あ、時任を抱き寄せてお尻触った。
瞬殺決定☆、と思ったら時任が綺麗な回し蹴りを決めていた。

「気色ワリィんだよボケッ!!」

見事なタンカを切っても一回蹴飛ばす。さすがに男には容赦ない。

「ときとー、お待たせ。また絡まれてたの?」
「また言うな!久保ちゃんが遅いせーだろっ!ったく尻撫でられたんだぞ!気色悪いったらねーぜ」
「ふーん、じゃ消毒」

そう言って時任を抱き込んで頭を撫でる。

「・・・何のつもりだ?」
「だから消毒、気色悪いの飛んでけ〜」

よしよしと頭を撫でつつ腰にも手をまわす。相変わらず華奢だねぇ。

「ボケっ!飛んでくかっ!」
「そう?残念」
「ったく馬鹿なことしてないで早く帰るぞっ!」
「はいはい」


うーん残念

でも気色悪いと言って蹴飛ばされなかったし?

ちょっとは脈あるかな?

なーんてね(笑)







(終)
 
私は久保田の視点での時任観察日記風駄文が多いと最近気づきました。時任への愛が深いため駄文を書くことによって時任ストーカー気分を満喫してるのです(変態) 逆に時任視点では書きにくいです。
これは沙織ちゃん事件の後くらいかな。にしてもこいつら出来てても出来て無くても十分バカップルになりますね・・・(砂吐) 私にとっての時任リアルイメージは柴/崎/コウです。あーいう顔好きvでもどろろ役は年齢的にちとキツイと思います。どう見ても女にしか見えない・・・

2006.12.5
  >> 妄想文 INDEX >>