不謹慎な俺達 | ||
鳥型インフルエンザのバンデミック(感染症の世界的大流行)をドラマ化したものをなんとなく見ていた。ドラマとは言え、実際に起こる可能性が大きいテーマなのでなかなか見ごたえがあった。 「・・・たかが風邪でこんなんなるんかよ・・・」 時任が信じられねーって顔をして見ていた。 風邪といってもインフルエンザなんだけどね 「風邪ってのも侮れないよ?普通ならウィルスを殺す薬で高熱も下がるけど、この場合効かないからね。命にかかわるよ、コレ」 「・・・ふぅん・・なぁ、これって本当に起きるんかな」 「そうねぇ・・・こういうのは何十年かに一回あるから。ペストやコレラみたいに。だから全く有り得ない話じゃないね」 「マジかよ・・・」 あらら、顔が強張ってるよ? 「もしなったらお前は危ないね」 「何でだよ」 「こうなったら鵠さんも当てにはできないでしょ?」 「そりゃ・・・・」 「といっても普通の病院には行けないから自力で治すしかないっしょ?」 「う・・・・・」 「といってもお前は普通の薬も飲めないから熱下がるかねぇ・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「いや〜怖い、怖い」 まーそんなはずはないんだけど。 もしお前が感染したらどんな手を使っても治療させるけどね あ、からかい過ぎたか?だんだん怒り顔になってきた。 「だーーーーーッじゃどうすりゃいいんだよッ!!!」 「感染らないようにするしかないっしょ」 「あ?」 「要はうつらなきゃいいわけ」 「そりゃそうだけどどうやって」 「バンデミックが発生したら一斉に報道されるから、そんときはうつらないよう外へ一歩も出ずにこもってればいい。仕事も学校もないんだから出る必要もないしね」 「それだけかよッ」 「それしかないっしょ。特効薬が無いからバンデミックになるわけで、だったら収拾がつくまでこもってるのが一番じゃない?」 2週間程度で一旦は落ち着くだろうから出来ない日数じゃぁない 「・・・まぁそれしかねーかもな」 さすがの時任もインフルエンザは怖いらしい(笑) ね?大人しくするかないっしょ 「出れねーんならメシとかどうすんだよ」 「食事はレトルトや缶詰で我慢するしかないね」 「いざとなった時のために買い溜めしとくか?」 「そうね、あ、煙草も買い溜めしとかないと」 「だったら空気清浄機も買え!窓あけねーほうがいいかもしんねーじゃん」 「それは大丈夫だと思うけど、買っといた方がいいかもね」 「保存食っつったらカロリーメートだな!あとはスニッカーズ!」 「それは保存食と言うよりお菓子でしょうが」 「日持ちすりゃいーんだよ。久保ちゃんは?」 「新商品はさすがにでないだろうから何でもいいかな。あ、カレー粉とたまねぎは買っとかないと」 「・・・またもやカレーかよ・・・」 「日持ちしていいじゃない」 「まぁな」 まるでキャンプへ行くみたいに相談しあう俺達 医療関係者にとっちゃ噴飯ものだろう でももし本当に起きたら? 世界で何十万人が死ぬかもしれなくても、バンデミックが起きて欲しいといったらどうする? 何故なら、もしバンデミックが起きたらお前はずっとここにいてくれるだろうから いくらお前でもウィルス相手じゃ勝ち目はない バンデミックの間は黒服のオジサンたちもお休みしてるだろうし 葛西さん達もうちには来れないだろう 外でどんな嵐が吹き荒れても 息を潜めて通り過ぎるのをまてばいい その間は 世界は 俺達二人だけ なんて 甘い響き 願わないはずはないだろう まぁその前に、日頃の行いが悪い俺のことだから さっさと感染して死んじゃうかもしれないね まぁ それも 悪くないか とりあえず、明日買い物に行こう (終) |
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某公共放送でやってたのをちょこっと見まして、翌日同じくみた社長との会話。 「もし本当になったらどうしましょうか?やっぱ1・2週間くらい休業しちゃいます?」「当たり前だ。どうせそんなときは客もこねーしな。医者とかは休めんが俺らなら大丈夫だろ。」「皆の命には代えられないですもんねー」「そうそう、2週間くらい篭っとけばなんとかなるだろ」なんて会話をしてまして、ふと『久保ちゃんならこんな状況喜ぶに違いない』なんて思ったのが元ネタです。 もしかすると続くかもしれませんが続かないかもしれません。 2008.1.31 |
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