□ いじめについて語ってください (WAバージョン) □
「またお題がきた」
「うん、もうそろそろ慣れたね。でもまたヘビーなお題だねえ。”いじめ”なんてさ」
「いじめって何だ?」
「簡単に言っちゃえば、弱い者を強い者が虐げること、かな?」
「弱い者イジメは好きじゃねえけど、まあ、よくあることだよな」
「うん、学校に限らずどこにでもある話し。自然界でもあることだしね。ただ最近はそれによる自殺が増えてるから問題になって騒がれてるんだよね」
「ふうん・・・自殺したい奴の気持ちってよくわかんね」
「うん、自殺する人の気持ちはその人しか分からないよね」
「どんなことされたんだ?」
「殴られたり、仲間外れにされて無視されたり、悪質なイタズラを延々とやられたりとかかな」
「悪質なイタズラ?」
「うん、携帯電話に『死ね』とか『ブサイク』とかのメールが数十通毎日届くとか、教科書や靴を隠されたり、トイレに閉じ込められたり、とにかくイロイロ」
「・・・く、暗れぇ・・・そんなことして楽しいんか?」
「楽しくないだろうねえ、でもイジメてる子ってのはイジメられてた子が多いからそのまま仕返ししてるだけなんだよね」
「ますますわかんねー、それじゃエンドレスじゃん」
「そう、エンドレス。そんな悪循環な関係でもそこから外されるのが嫌で離れられない、学校っていう狭い社会で孤立するのって怖いから」
「久保ちゃんもイジメられた経験あんのか?」
「あるよ。どこのグループにも属さないと目立つからねー、年上のお兄さん方や同い年のやつらにもよく目をつけられたよね。14歳ぐらいまでちびだったし」
「ちびだった久保ちゃん!見てみてー」
「可愛かったよ?(ぶりっ子風に)」
「気持ちワリー」
「酷いなあ(笑)、まあ適当に受け流してたらいつの間にか背伸びて因縁つけてくる奴が自然と減ってきたなあ」
「誰もこんなでっかくて怖そうな奴を苛めたいとは思わねーよな」
「それでもたまにいたけどね、きっちり再起不能にしてあげた」
「命知らずなやつもいたもんだ」
「うん、学校の中でしか威張ってないから分からないんだよねぇ。動物園のライオンみたいにライバルがいないと自分が強いと思い込んで回りが見えてないの。檻から一歩出ればもっと強い奴がいっぱいいるのにね」
「苛められてるやつも一緒だよな。檻から出なければ食われのを待つだけだけど、でたら逃げて生きられる可能性もある。けど檻の中だとは気付かねーの」
「うん、結局は似た者同士なんだよね。苛める方も苛められる方もね」
「かもな」
「時任は檻から逃げることが出来たんだろうね」
「多分な。ぼんやりとだけど誰かといた覚えはある。そいつから逃げたかったんかな」
「・・かもね(恐らくアキラって奴からね)」
「まあ逃げ出したくらいだから、どうせ碌でもないことされてたんだろうな」
「多分ね、でもそのおかげで俺はお前と会えたんだよね。複雑だなぁ」
「まあな、結局逃げて良かったってことだよな」
「うん、逃げてくれてありがとね?」
「それ言うなら拾ってくれてサンキューな」
「おや、なんかイイ感じに締められそうじゃない?」
「だな」



過去に何があっても今幸せならそれでいい、そんな感じのお二人でした。



終わり
なんかお礼からは遥かに遠ざかってる内容でごめんなさい(汗)
最近イジメ問題が取り沙汰されてます。我が家では『世間は弱肉強食、イジメの無い社会は無い』と結論がでてますのでいかにイジメに対抗するかが議論の的となります。イジメを無くすのは無理ですよ。動物の世界だってあるんだから本能です。ただ陰湿な方向へ行くのを防いだり抑止力になるよう取り組むのは大切です。ゆとり教育のせいで対抗手段を学べずに来た子が多いんじゃないかなとも思います。難しい問題ですが一度かたちにしたかったので書いちゃいました。私の持論を彼らに語ってもらった感じです。

2007.2.14 駄文部屋へ収納

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