お気に召すままに(おまけ)
「うー・・・痛ぇ・・・」

「時任ー大丈夫?」

「あんま大丈夫じゃない」

「だから今日は休んどいた方がイイって言ったっしょ?」

「うっせー、昨日の今日で休めるかっ!何言われるか分かったもんじゃねー」

「ったく強情なんだから」

「くぼちゃんのせーだ、やりすぎなんだよっ」

「ちょっと張り切っちゃったからねー、でも時任も欲しがったじゃない」

「・・・」

「五十嵐センセのとこで薬もらう?」

「ヤダ、ぜってー変なこと言われるっ」

「ちょっと見せてみ?」

「ヤダっ触んな」

「ちょっとだけだから・・・」

「やだって・・・」







ガラッ!!!



「あんたたち何やってんのよーっ!!」





我慢できなくなった桂木が勢いよく部室のドアを開けた。
桂木の後ろには相浦、室田、松原が立っている。
二人の会話が聞こえて全員入りづらくて外で待っていたのだ。

中では久保田と時任がこちらを向いてキョトンとした顔をしていた。

「いや、時任が腹が痛いって言うんだよね。見てよこのお腹、タヌキみたい」
「触んなってばっ!久保ちゃんのスケベ!もとはといえば久保ちゃんが作りすぎんのが悪いんだろっ」
「食べたいって言ったのお前じゃない。つい張り切っちゃたんだよねぇ」
「でも最後のキムチ大盛チャーハンはやり過ぎだ!あれのせーで腹痛くなったんだぞっ」
「まあちょっと多く作っちゃたからねぇ、残せば良かったのに」
「そんな勿体ないこと出来るかっつーの!」

脱力・・・いつも通りの紛らわしい会話か・・・

「いつものことだけどなんであんな紛らわしい会話になるのよ・・・」
「だよなぁ(・・・とうとうくっついちまったかと思ったぜ・汗)」
「ですね」
「うむ」

お互いの顔を見てはははと笑いあう。

「?何笑ってんだよ」
「まあ気にすんな」
「そういえば、結局久保田君は何を生徒会に頼まれていたの?」
「あー、ちょっとした見回り」
「俺も昨日聞いたんだけどさー、赤レンガの辺りって9時ごろまでライトアップされて綺麗だからデートスポットなんだって?それらを狙った性質の悪い連中がうろうろしやすいからちょっと行って見回ってくれないかって頼まれてたんだってさ」
「さすがにイブだから強制じゃなくて出来ればって話しだったんだよね。まあ、あそこの近くに雀荘があるから昼間稼いだ後うろつくぐらいならいっかと思って引き受けたんだよね」
「ったく、そんなんなら何でさっさと言えっての。そんぐらいなら付き合ってやんのにさー」
「だって時任は寒いトコも混んでるトコも嫌いじゃない。途中でお前のプレゼントでも買おうと思ってたから一人のが都合いいかなーって」
「・・・俺は何も用意してねーぞ」
「いーの、俺がしたいだけだもん」

・・・はああああああ、桂木は深いため息をついた。
これが平和な証拠とは言えこんなバカップル振りを見せ付けられるのは勘弁して欲しいものである。

「そういえば結局誰があの噂広めたのかしらね。あれさえなければあんな騒ぎにならなかったのに」
「次の日には広まってたから誰かが言いふらしたのは間違いないよな」
「あ、それ聞いた」
「誰よ?」
「俺たちの仲間って言ってたから、まあ一人しか思い浮かばないよね」
「・・・藤原ね?」
「多分」
「あーいーつーはー、全くいつもしょうもないことして〜〜(怒)!!!」

ガラッ!

「久保田せんぱーい、こんにちは〜♪」

タイミングが良いというか悪いと言うか藤原がやってきた。
飛んで火に入る夏の虫とばかりに桂木はすかさずハリセンを握って藤原に向かって振り下ろす。

「天誅〜っ!!!」
「な、何すんですか〜〜!野蛮です〜〜」
「問答無用っ!」


逃げ回る藤原とハリセンを持って追っかける桂木、そして楽しく見物する執行部の面々


スパーンッ!ハリセンの見事な音が響き渡る。


執行部の何時も通りの情景だった。


今日も荒磯学園は平和です。





お終い
 
1000ヒットキリリク駄文、終〜了〜♪
この駄文はキリバンゲッターのとん様へ贈呈いたします。
例のごとく微糖な話ですが気に入って頂けたら幸いですv
苦手意識を持っていた荒磯を問題なく書けるのが分かったのはあなたのお陰です!
お陰さまで芸域が広がりました(笑) リクエストありがとうございました〜

いやー初の荒磯で初の長編になってしまいましたが楽しかったー。でも全7話になるとはさすがに思いませんでした。荒磯は登場人物が多いのでちょっとした事件でも長編になってしまうんですね。でもこれに懲りずにまた荒磯に挑戦したいです。エロネタも思いついたし今度は気楽に書けそうです。
お付き合いくださりありがとうございました〜♪

2006.12.16
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