手羽先 |
「くぼちゃんッ!これ食いたい!!」 時任がテレビを指差して叫んでいた。 「どれ?」 うーん、買えば終わりってもんじゃないのね。 「・・・作るの面倒かも」 早速二人で出かけて材料を用意した。 用意するもの @手羽先数本 食べたいだけ 以上 今回は『たくさん食べたい!』と時任が言ったので手羽先を3パック(24本)買ってみた。 「んじゃやりますか」 男二人でキッチンに立つ。 「んじゃ俺が手羽先の関節外して筋を切るからお前は骨抜いてね」 手羽先は食べる部分に二本の骨がある。この骨を抜くことで中が空洞になり物が詰められるのだ。 「ほい、お前の番。この二本の骨を引っこ抜いて」 不器用な手つきで骨を引っこ抜こうとする。しかしうまく骨が掴めなくて抜きづらそうだ。肉なので滑りやすいのだ。 「だぁ〜!!すべって上手く出来ねぇ!」 そういって布巾を取り出し時任に持たせその上から手を添えて教えてあげる。 「あ、ホントだ。これなら掴める」 上手く掴めたらあとは力があれば出来るだろう。 「おっし!抜けた!」 さすがの怪力で次々と骨を引っこ抜いていく。いっそ気持ちいいくらい。 「これ面白れーな!」 しばし無言で骨抜き作業をする俺達。抜くの大変だなーって思ってた手羽先の山があっという間に片付いた。二人でやるとあっという間なのね。 「んじゃこの中に好きなもの詰めよう」 時任はナチュラルチーズとプチトマトを入れて楊枝で口を閉じようとする。力加減が難しいのか何本も楊枝を折ってしまうので見かねてやってあげた。 「具が足んないのな。あと何入れっかな」 こうしてお互い中身を知らないのを3本ずつ作った。そしてわかんないように通常の具の中に混ぜ込んだ。 「んじゃ焼きますか」 片面4分ずつくらい焼くので結構面倒だ。 プシュッ!、プルタブを開けた。 「んじゃかんぱーい」 ビールで乾杯して早速食べてみることにした。 「おっ、うんまいじゃんッ!チーズ入り旨いぜッ」 ビールをぐいぐい飲みながら、ばんばん食べていく。 「なかなか変なのに当らないのな」 そう言いつつ、8本目に手を伸ばす。 「あ、キムチ入りが当った。これおまえっしょ」 お互い9本目に手を伸ばす。 「あ、これ久保ちゃんが作ったやつじゃねー?納豆入りのやつ」 二人で10本目に手を伸ばす 「だんだん腹いっぱいになってきた」 残るはあと4本。 「・・・もうそろそろ腹いっぱいなんだけど」 じとりと残りの2本を眺めてしまう。 「あと1本ずつ変なのが混ざってるんだよな」 11本目を選んだ。 そして口に入れる。 「〜〜〜ッ!!!」 なんとも言えない顔をする時任と表情の変わらない久保田。さあどっち? 「だ〜〜〜ッ!自分で作った変なのに当っちまった!!!」 お互いがお互い作ったものを食べるなんて運がいいんだか悪いんだか・・・ 「う〜〜・・・久保ちゃんのがマシだったかも。久保ちゃんは何入れたんだ?」 顔を見合わせる。 「ぷッ」 つい吹き出してしまう。 「さすが相方、気があうじゃん!」 好みは違えども考えつく先は一緒なんて なんか こそばゆい 不思議な感覚 ひとしきり笑いあったあと最後の一本を食べて口直しをした。 「あーうまかった。また作ろうな!」 ニッカリと笑った君に逆らえるはずもなく、うん、と頷いた。 どうせなら俺が知っていてお前が知らない料理のがいいかも それこそ手取り足取り教えられるような それを言ったら叩かれた、耳が赤いよ時任くん ホント可愛いったらないね、この子は
なーんちゃって、ね
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ありー?、思った以上に長くなっちゃった。簡単な3分間クッキング風にしようとしたんだがなあ。食べ物ネタは山ほどあるので書きやすい。こんなんならいくらでも書けそうですわ。あー楽しかった!
因みに私が好きなのは明太子入りとチーズ&トマトとお米入りです。美味いですよー。明太子は半生くらいに焼くのがポイント。もっと凝った具を作るのも楽しいです。 あービールがうまい(親父くさッ) 2007.10.26 MEMOより移動 |