カラオケに行こう! (5555キリリク) |
「皆!カラオケ行くわよ!」 執行部の女帝、桂木ちゃんが宣言した。 「お!いいねぇ」と乗り気な相浦 「そういや最近行ってなかったなー」とこちらも乗り気な時任 「いいけど?」とどっちでっも良さそうな久保田 「久保田先輩が行くなら行きます〜♪」と補欠の藤原 「ふむ、行くか」と付き合いの良さそうな室田 「いいですけど、急ですね?」ともっともな質問をしたのは松原 しかし桂木ちゃんを見れば愚問というもので・・・ 「ストレス解消に決まってんでしょ!もうっ今月も経費が赤字よ!!またあんの狐副会長に嫌味言われちゃったのよっっ!腹立つーっ!!!」 あ・・・やっぱりストレス解消ですか・・・ 皆はチロっと赤字の主な原因の時任をつい見てしまう。 一応自覚のある時任はちょっと気まずそうな顔をしていた。 「じゃ、じゃあさ、早く行こうぜ!」 ごまかすように時任が皆をせかした。 そうして執行部一行はカラオケに向かった・・・ * * * * * * * * * * * * * * * カラオケ到着後一時間・・・ それなりに歌って桂木女帝の機嫌は持ち直していた。 因みに今歌っているのはモーニ○グ娘を歌っていた。案外可愛らしい曲の選択である。 「んじゃ次は、ビューティ時任&ボンバー室田で、『ペッ○ー警部』歌いまーす」 「歌いマース」 抜群に上手い時任と野太いがなかなか上手な室田とで不思議なハーモニーを形成し面白くも結構聞かせる歌になっていた。意外なコンビだがさすが執行部仲間、息もぴったりだった。案外室田も芸達者である。 野太い声のピン○レディに皆でやんやと喝采を送る。 「ぎゃはははっはは!!!!」 「何それ〜有り得なーいっ!!」 「室田もやるね〜」 「真面目くさった顔してやる室田がまた笑えるんだよな」 「旅の恥は掻き捨てって言いマスからね!」 楽しむ面々とはよそに、ここぞとばかりにセコイ行動を起す者もいた。 「久保田せんぱーい、僕とデュエットしましょうよう」 「んー、パス」 「そんなぁ〜」 「そこの補欠っ俺が歌ってる隙に久保ちゃんに近づくんじゃねぇっ!!」 ドゲシッ! 目ざとい時任は間奏の合間に補欠に制裁を加えるのも忘れない。 ホント器用である。 曲が終わったら皆からの盛大な拍手をもらった。 「いやー、笑わせてもらったわ」 「おっかしかった!」 「室田!今度は僕とやりましょう!」 「二人ならコブク○なんかいーんじゃね?身長差ぴったし」(←酷い) 「なんか一発芸大会みたいだぁね」 ポツリともらした久保田の感想を聞いた桂木ちゃんはピンと閃くものがあった。 「ねぇ、皆で歌自慢大会しない?」 「「「歌自慢?」」」 「そ!ただし、歌の上手さじゃなくてどれだけ場を盛上げたかで決めるの! 一番盛上げた人はカラオケ代無料ね!」 「いいんじゃん、面白そう」 「やりましょう!」 「ふふふ、上手さで言ったら俺様に適う奴はいないかんな、妥当な勝負だな!」 「・・・ま、確かに歌一番上手いのは時任だもんね」 一同異論はないようです。 ホント、ノリが良い皆さんですね。 「んじゃ順番はあみだくじね!」 桂木ちゃんはそこらへんの紙で手早くアミダを作り皆に選んでもらった。 持ち歌を先に歌われる恐れがあるので順番が早いほうが有利と言えよう。 そして一番を引いたのは・・・ 「じゃじゃーん!1番はやっぱり俺様だな!一番 ビューティ時任『タッ〇ー&翼のビーナス』歌いまーす!」 自称スーパーアイドルは伊達じゃない、時任はホントに歌が上手い。いつもなら布袋系を歌うのだが今回は超人気アイドルの歌を選曲してたその狙いは・・・ 「すっげー!振り付けまで憶えてる!」 「キャハハハハ!あのキザったらしい振り付け!ぴったし!」 「様になってんなー」 「時任カッコイイです!」 「あー・・・一時期お気に入りでよくやってたからねー。『この振り付けは美しー俺様のが似合う!』とか言って」 「・・・さすがナルシスト・・・」 『熱くビーナス!』と歌うこの曲はカルメンのように手を叩いたり、観客に向かって手を差し出したり、いちいち決めポーズがキザったらしいなど、見てるこっちが恥ずかしいような振り付けとなっていた。しかし常人がやったら笑うしかない様な振り付けも、超美形のあの二人組みがやると格好良く見えるから不思議なのだ。 それを恐れず、しかも自分に酔いながら出来る時任はさすがとしか言いようが無い。確かに、時任を知らない者が見たらアイドル張りに格好イイと表現するかもしれない。しかし、時任の性格を熟知してる面々は自分に酔ってる時任のナルシスト振りが面白く、またそのハマリ具合がまた笑えるのだ。 なかなかの盛り上がりを見せたまま曲が終了した。 「次!二番!相浦!『金太の○冒険』歌いまーす!」 この曲は金太が冒険する様を歌にしたという一見普通の曲である。 しかし実際は・・・ 「イヤー!何コレ最低ー!!!」 「だはははは!」 「下品です!」 「お下劣だ!」 「ぎゃははは!よくこんな曲知ってたなぁ!」 「あーこれねー聞いたことある・・・」 実際は下ネタ満載の曲なのだ。 金太=キンタにマを繋げて歌うように作詞されていて、何度も何度も男性局部を連呼するようになっていた。 まあ確かに盛り上がる曲ではあります・・・。しかし、この宴会向け下ネタソングは全部で6曲もあり、ずっと聞いてると次第に飽きてくるという欠点があった。 最初は大いに盛り上がったが最後は少々盛り下がって曲が終了した。 「次は僕で〜す、三番、藤原『天城越え』歌いま〜す」 藤原は今更説明は不明であろうかの名曲を歌い始めた。 情念に燃えた女の曲をこれまたしつこさには定評のある藤原が歌うのだ・・・濃い・・・濃すぎて胃もたれがするようなしつこさだった。しかも歌いこんでるらしくかなり上手いのでしつこさ倍増だ。 「だーっ!ねちっこいんだよお前は!」 「・・・うわっサビの『あなたと〜越えたい〜』をしっかり久保田目線で歌ってやがる・・」 「キモイ!」 「・・・ちょっとくるものがあるな」 「モテる男は大変ですね」 「うう〜ん・・・ちょっと迷惑?」 いつものごとくすげない扱いをされる哀れな藤原であった。 ブーイングという意味では盛り上がったまま曲が終了した。 「次は俺だな、四番室田!北島○朗の『祭』歌います!」 男らしい室田がこれまた男らしいサブちゃんの歌を歌う。あまりにも王道な選曲だが室田の心地いい重低音で「祭りだ祭りだ〜」を熱唱すると、さっきまでの藤原のでねちっこいしつこさが払拭され、やけに清清しく、すっきりさせてくれる清涼剤のような効果があった。 「いよっ!男の中の男っ!!」 「大将〜〜!!」 「素敵〜!!」 「さすがです!」 「・・・はぁいい口直しだぁね」 普段室田が歌う以上に盛り上がりがったまま曲が終了した。 「んじゃ次は私ね!五番 桂木!『学園天国』歌いまーす!」 かつて大ヒットした曲を最近になってアイドルがリメイクした曲で、ノリとテンポが良く、桂木の高いキーともあっていてぴったりな曲である。 「Are you ready ?」 「「「「yea!」」」」 しかも、ところどころに観客から掛け声を上げさせるところがあり、否が応でも盛り上がる曲だった。良い選曲である。 「・・・強制的に叫ばされるからなー」 「作戦勝ちですねー」 「さすが桂木ちゃん」 掛け声を掛け合いながら盛り上がったまま曲が終了した。 「次は僕です。六番 松原 QU○EN(クイーン)の『We will rock you』歌います!」 松原はかの有名なイギリスバンドの代表曲を選曲した。 可愛らしい松原が歌うにはちょっと激しいような気もするが・・・ 「すっげー!発音ばっちり!」 「さっすが帰国子女!」 「カッコイイ!!」 「あんな早口英語よくできるよな!」 「さすがだねぇ・・・」 かなり高音のパートがある曲だが声が高い松原は難なく歌い、何よりも、かなりの早口で歌わなくてはならない英語の発音も帰国子女な松原は完璧だった。日本人の高校生でここまで完璧なロック・ユーはなかなか聞けるもんじゃない。 一同は感心しつつ、盛り上がりながら曲が終了した。 今のところなかなか良い勝負だった。 若干時任が優勢なぐらいだろうか。 そして残るは・・・ 「はーい、トリのラブリー久保田『キュー○ィハニー』歌いまーす」 サイ○ーグ009の主題歌が十八番の久保田はやはりというかアニメソングを選曲した。ただし女の子向けの曲と言うのが若干不気味だが・・・ そして久保田が歌いだした! ジャンジャラジャッジャジャジャジャジャン! 「この頃はやりの男の子ぉ♪ ツリ目が可愛い男の子ぉ♪ こっちを向いてよハニィー☆ だってなんだか、だってだってなんだもん♪」 「!?」 「久保田くんがハニー!きもーい!でもおもしろーい!」 「即席の替え歌か!?すっげー!」 「・・・これって・・・時任?」 「ツリ目の可愛いっていったらそうしかねーだろ」 「ハニィってとこでしっかり時任見てるし」 「〜〜〜っ!」 心当たりがバッチリあるツリ目で可愛い時任くんはちょっと顔が赤くなっていた。 「お願いぃお願いぃ微笑まないでぇ〜 僕のハートがトロトロしちゃうのぉ〜 イヤよ イヤよ イヤよ 見つめちゃイヤー くぼちゃーんフラッシュ!」 久保田はフラッシュのとこで眼鏡を外した! キラーン!と効果音がつきそうな絶妙なタイミングだ! 「ギャー!す・ステキ過ぎます!久保田せんぱ〜い!!!!!」 眼鏡を外した久保田を見て鼻血を噴かんばかりに藤原が叫んだ! 「だー!うるさいっ藤原!」 「ぎゃはははは!芸が細かい!」 「だはははっは」 「イヤー!おっかしーっ!」 「態度が大きい男の子ぉ♪ 俺様王子な男の子ぉ♪ 我がまま言いなよハニィー☆ だってなんだか、だってだってなんだもん♪」 「俺様王子・・・!!!」 「ぴっぴたし・・・!!」 「上手い!」 「久保ちゃんひでーっ!」 俺様王子と呼ばれた時任くんはちょっとおかんむりのご様子です。 「お願いぃお願いぃ我がままいいって〜 君の〜ためなぁ〜ら叶えてあげるから〜 イヤよ イヤよ イヤよ 黙っちゃイヤー くぼちゃーんフラッシュ!」 「久保田せんぱ〜い!一生憑いて行きます!!!!」 再びの素顔攻撃に血管が切れそうな勢いで藤原が叫んだ。 「だからうるさいっっての!」 「だはははは!」 「我がままし放題だもんね!」 「久保田は時任に甘いからな!」 「・・・(怒)」 その通りすぎて反論できない時任くんは黙るしかない様子です(笑) 「最近キレイな男の子ぉ♪ 黒猫みたいな男の子ぉ♪ こっちにおいでよハニー☆ だってなんだか、だってだってなんだもん♪ お願いぃお願いぃ傷つけないで〜 僕のハートがズキズキしちゃうのぉ〜 イヤよ イヤよ イヤよ 怒っちゃイヤー くぼちゃーんフラッシュ!」 「久保田先輩・・・僕・・も、もう死んでもいいです・・・」 「久保ちゃん恥ずぃっての!」 「あははは・・・苦しい・・・」 「ヒぃ、ハァ・・・お腹が・・・痛い・・・」 「いや、もう、最高・・・」 最後の時には、拗ね始めた時任と失神寸前の藤原を除いた全員が笑いすぎて呼吸困難に陥っていた。 「・・・久保田がこんな芸を隠し持っているとは・・・」 「久保田先輩流石です〜っ!」 「いやー参った、参った」 「確かに一番盛り上がったな・・・」 「文句無く一等賞ね!」 桂木ちゃんが久保田優勝を宣言した! こうして久保田が勝者で執行部歌自慢大会は終了した。 久保田のキューティー○ニーはその後執行部の語り草ととなったらしい・・・。 * * * * * 「あー楽しかった!んじゃ、帰りましょうか、相浦くんお会計おねがいね」 「あいよー」 相浦が精算を済ませて人数分割って皆から集金してくれている。 さすが会計係、手際がいい。 そんな中・・・ 「!!!俺様の財布が無い!!」 時任が叫びだした。 「マジかよっ!どっかで落としたのか?」 「最後はどこで使ったの?」 相浦と桂木が心配そうに尋ねた。 「えと・・・あれ?そういや今日まだ財布使ってねー」 「あー、多分家だと思うよ?お前さ、昨日の夜コンビニ行ったあとテーブルに置きっ放しにしてたから」 久保田に言われて思い出してみると、確かに昨夜の買い物の後に財布をテーブルに置いたような覚えがある。そして家を出る前に持った記憶が無い。 「・・・そうかも・・・」 「人騒がせですねー」 「失くしたんじゃなくて良かったじゃないですか」 「そうそう」 嫌味を言う藤原に松原と室田がフォローしてくれる。 「じゃ、時任のカラオケ代は俺が払っとくから」 「サンキュー、久保ちゃん!」 「せっかく勝ったのに結局お金払うなんんてついてないわね。 時任!後でちゃんと払うのよ!久保田くんも甘やかさないでちゃんともらうのよ!」 「わぁーってるよ!」 「ほーい」 そうしてカラオケ屋を出て皆と別れ、各々帰り路についた。 「にしても久保ちゃんがあんな隠し芸持ってるなんて知らなかったな〜」 「気に入って頂けたようで何より」 「面白かったからまた歌えよ」 「ほーい」 自分がネタにされたので拗ねていたがもう気にしてないらしい。 まあ替え歌なんていくらでも出来るので今度は違うネタで歌ってあげよう。 「そうそう時任」 「ん?」 「さっきの貸し、ちゃーんと返してね?」 「わぁーってるよ」 「因みに、利子がつきますのでちょーっとお高めになります」 「何だよそれ!」 「10分につき1割の利子がつきます」 「トイチの時間制かよっ!ボリすぎ!」 「いやー、お客様が確認されなかったもので・・・」 「んな金ねーぞ」 「お前今月ピンチだもんねー、ご安心下さい、そんなお客様にもお支払いできる方法がございます」 「・・・分割払いってか?」 「いえいえ、一括でお支払い頂けますとも、カ・ラ・ダ、で♪」 久保田はさっきのハニーのように至極楽しそうに語尾を上げて話す。時任はその久保田を至極冷たい目で睨んだ。微妙な沈黙が二人の間に流れる・・・ 「・・・おめーさ、もしかして、俺が財布忘れてんの気づいてた?」 「さあ?」 「そんでずーっと俺が貸しを作る機会を狙ってた?」 「そんな人聞きの悪いー」 「でもって、おっきい貸しを作るためにあんな本気モードで歌ったんだな?」 「本気モードなんて大げさだなー」 「んなわきゃねーだろっ!あんなくっそ恥ずかしい曲をノリノリで歌いやがって!」 「いやー結構楽しかったよ?(時任の反応を見るのが)」 「こんのエロ親父!!!」 怒鳴った時任は久保田を置いてさっさと一人歩き出す。ズンズンとすごいスピードだった。苦笑しながら久保田はその後を追いかける。 「時任〜待ってよ」 「・・・」 声をかけるが腹を立ててる時任にキレイに無視された。 仕方ないので別の手を使うことにする。 「ジャンジャラジャッジャジャジャジャジャン!」 そこのイケテル男の子ぉ♪ とってもつれない男の子ぉ♪」 「!!!!」 「こっちを向いてよハニィ〜♪」 「ヤメロって!」 「だってだって、だって大好きなんだもん〜♪」 「だからヤメロってば!」 「お願ぃ〜お願ぃ〜こっちを向い〜て〜♪」 「〜〜っ久保ちゃんのバカッ!」 余りの恥ずかしさに顔を赤らめて怒鳴りながらも、ちゃんと立ち止まって久保田を睨みつける時任。それを嬉しそうに見つめる久保田。しばし睨み(?)あう二人だが・・・ 「・・・あんま変なこと要求すんなよ」 「うん」 先に折れたのは時任だった。 ちょっとため息をついて再び時任が歩き出す。今度はちょっとゆっくりと。 その後を嬉しそうに久保田がのんびりついていく。 一見、我がままに傍若無人に振舞ってる時任だが案外人を困らすことは少ない。逆に、いつも我がままを聞いてるような久保田の方がこんなふうに時任を困らすことのが多いい。 そしていつも最後に折れるのは時任のほうだった。 ホントはどっちが甘いんでしょうかね・・・ 蜂蜜よりも甘い甘いお二人でした。 終わっとけ |
カッコいい曲を歌う久保田を期待してたらすいません!(え?うちのサイトにゃ期待してないって?) ハニーの曲を聞いてたら3番目に「子猫の肌した女の子〜」ってのがあって、猫=時任だ!こりゃ久保田に歌ってもわらないと!って思ったのが元ネタです。 久保田さんなら下心のためならノリノリであそこまで歌ってくれると思うのです。 森川氏の美声で上の替え歌を想像して下さると嬉しいかも(笑) こんな駄文ですが切番ゲッターの梨佳さんへ捧げます。少しでも気に入って下さったら嬉しいですv PS:選曲が微妙に古いので10代の方わかるかな?分かんなかったらごめんなさーい! 2007.2.11 |
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