トラブルドロップス
一日目 - 5 -

 不思議な飴を舐めた翌日の昼休み、いつものごとく執行部にみんな集まっていた。

「昨日は素晴らしかった!!!桃太郎最高デス!」
「犬も雉も猿も可愛かったしな」
「室田のスーパーマンも凄かったですよ!あっという間に種子島に到着したんですから!」
「いやー便利だったなあ、料理しててもキャベツの千切りが1秒で出来たぞ」

 何か違う使い方の室田と純粋に楽しんだ松原が昨日の顛末を興奮気味に話していた。この二人は十分楽しめたらしい。

「俺の白馬の王子様も面白かったぜ、帰ろうとしたら白馬が迎えに来てくれたんよな。あの飴を外で飲んでたら馬が一緒に出てきたんじゃないかな。でも室内だったからあとで迎えに来てくれたんだよ。人の言葉がわかるらしくてちゃんと言うこと聞いてくれて可愛かったな」
「あ、いーなー俺馬に乗ったことない」
「時任は何してました?」

 あの後の顛末を知らない松原が無邪気に時任へ聞いてくる。

 『『ナイス!松原!』』と桂木と相浦は心の中でガッツポーズした。あの後どうなったかとても気になっていたが、期待が外れてたらとても怖いので(なんせ仲間が変態で鬼畜で犯罪者だったと判明してしまうので)怖くて聞けずにいたのだ。

「俺は久保ちゃんと遊園地行って来た。俺子供料金じゃん」
「あ、なるほど、良い案デス」
「んで夜は久保ちゃんが狼に変身したからその背中に乗って散歩してた。屋根と屋根の間を飛んだりして超気持ち良かったぜ!」
「OH!それはいいですね!僕も乗ってみたいです」

 それを聞いて約二名が胸をなでおろした。

『さすがにそこまで変態じゃなかったか・・・』
『そこまで鬼畜じゃなかったのね・・・安心したわ』

 いえいえ、十分鬼畜でしたとも。ただ満月に邪魔されたってだけですよ。

「そう言えば・・・、桂木ちゃん」
「何?」
「昨日、あのあとどうした?」
「何がよ」
「ト・イ・レ」
「!!!!!」

 意地悪なふくみ笑いをしながら久保田が聞いてきた。この話しは・・・

「あの時の会話聞いたのねッッ!!!」
「人聞きの悪い・・・聞こえちゃっただけだってば」

 桂木はお得意のハリセンを振り回して久保田を追いかけるがひょいひょいと避けられてしまう。『久保田そりゃ禁句だろ』と思いつつも聞いてみたかったりする・・・。皆も好奇心は旺盛なのだ。

「もーッ待ちなさいよ!!!」
「遠慮しまーす。で、どうだったの?」
「・・・・・・・・・行って無いわよ」
「「「えっ?」」」
「12時間ずっとトイレ行かないように我慢してたのよッ!!!」
「「「・・・・・・」」」
「そりゃ・・・災難だったね」
「もう最悪よッ!」

 男が女になったらウハウハかもしれないがその逆だとそんなもんかもしれない。

「次こそはエスパー引き当てたいよなあ」
「そね、次は何舐める?」
「あんたたちまだやるつもりッ!」
「おう、あったりめーじゃん」
「やっぱもらったものだし?勿体ないっしょ」

 ・・・こいつら・・・全く懲りてない・・・
 昨日はあの後どうなったかすっごく心配したのに・・・(怒)

「私はもう絶対やらないからね!!あんたたちだけでやって頂戴!もう知らないから!」

 切れた桂木ちゃんは怒って部室を出て行ってしまった。

「怒られちゃった」
「桂木は心配性だからなー」
「んじゃ止める?」
「まさか」
「だよなー」

 久保田と時任は顔を見合わせ、にやり、と笑いあう。

「お前らはどうする?」
「・・・俺はいいからお前らだけでやってくれ」
「僕も満足しましたからもういいです」
「あんま桂木に心配かけんなよー」

 皆は傍観者に徹するらしい。フォロー役筆頭の桂木がいなくなったので自分達がフォローするしかないと思ったようだ。良い連中である。それを知ってか知らずか二人は次の飴を選び始めた。

「んじゃ次はこれ」
「俺はこれにしとくかな」


 そして口の中に放り込んだ!


 さあ次は何に変身するのか!


 女子高生か!孫悟空か!魔法使いか!吸血鬼か!


 結果はまた次回!(笑)





(終)

その他の人たちはどうなったでしょうってオマケです。
全ての変身バージョンをコンプリートするまでこのシリーズは続けたいと思います。自分でコンプリートできたら『パラレルネタお題』とでもして配布しようかしら。うーん先は遠い・・
ではではまたいつか!

2007.6.11

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