☆ 性少年の裏事情α ☆

オフで出した『僕の許嫁』の作中ネタ&その後話です。以下簡単な設定。
健二=男の子みたいな外見の女の子
佳主馬=15歳で健二さんと身長逆転のイケ男に成長
出会った時はノリで許嫁になってしまう(オフのサンプル参照)。
1〜2年はお友達として仲良しこよし
3年目に恋人となる。
※オマケとして無料配布したものを一部削除したものです※
 
(早く週末にならないかな・・・)
 月曜の朝から国語の退屈な授業を聞くのは苦行以外のナニモノでもないと思う。
 まあ理由は古文のせいだけじゃないけれど。
 池沢佳主馬は先日想い人と初めて結ばれることが出来た。もちろんお相手は許嫁の小磯健二だ。その想い人と今週末会えるのだから週末が待ち遠しいのは仕方ない。
 片想いの時間は自覚が遅かったので長くはないが、最後の2ヶ月はやたら長く感じた。
 自分が悪いとはいえあれは辛かった。
 自分は自制心の強い方だと思っていた。でも拒絶され、頭に血がのぼり、『何故?』という疑問が頭を占めた。健二さんは僕の事が好きだ。それが弟や友達の意味だとしても同じ『好き』なのだから脈はあると思っていた。そう過信していた。
 でも健二さんからはっきりと「駄目」と言われた。
 その顔はまるで数学の問題の答えを言うような顔だった。照れてるような、恥ずかしがってるような顔ではなく、明確な拒絶。数学のように答えは一つだけ、そんな感じに言われた。
 こんなふうに拒絶されるなんて信じられなかった。嘘だと思いたかった。諦められず理由を聞いても何も答えてくれない。首を振るだけ。
 本当に駄目なのかもしれない…。
 そう思ったら、目の前が暗くなって、気が付いたら押し倒していた。健二さんを自分のものにしたかった。
 自分にあんな凶暴な衝動が潜んでるとは思わなかった…。
 多分、健二さんが泣かなければあのまま最後までしていたと思う。
 健二さんは泣かない人だと思っていた。
 とても強い人だし、土壇場では冷静になる人なので泣く姿は想像したこともなかった。
 その健二さんが泣いている…。
 頭から氷水ををかけられたように一気に頭が冷えた。
 好きな人を泣かすなんて情けなくて、申し訳なくて、ただひたすら謝って健二さんを慰め続けた。
 そして健二さんのところへ通い続けた。
 健二さんを傷つけたけれど、「駄目」と言われたけど、やっぱり諦めきれなかった。
 健二さんが僕を拒めないことを知ってるから、もう一度考えてとお願いして通い続けた。
 最初の一カ月は本当に辛かった。
 何度も泣きそうになったし、何度も諦めようかと思った。
 僕が来ると嬉しそうな顔をするくせに、いざ触れそうな距離になると離れてしまう。あれには傷ついた。でも最初は僕を怖がっているのかと思ってたけど、健二さんは自分から伸ばした手を自分で引っ込めるときがある。怯えてるだけじゃないと思い始めた。何か我慢してるような感じがした。
 僕に触るのを何で我慢するの?僕を好きなんだよね?何が駄目なの?
 分からないことだらけだった。
 健二さんは頑固だ。こちらが何を言っても自分のしたいようにする。だから健二さんの考えがかわるまでひたすら待つつもりだった。でも煮詰まった自分が何をするか判らなくて怖くもあった。佐久間さんの励ましが無ければ何か酷い事態を引き起こしてたかもしれない…。
 そしてあの花火の夜、健二さんから本当の気持ちを聞いた。
 あの夜を思い出すたびにひたすら恥ずかしくなり顔が赤くなる。同時に腰が熱くなる。あんなことをするつもり無かったのに、いざ付き合うことが出来たと思ったら健二さんが欲しくてたまらなくなった。
 そして強引にお願いして健二さんをもらった。
 シャツの中に手を滑らせると、家ではノーブラ主義の健二さんの乳房に直接触れることが出来た。僕が小さい頃に触れた時は気付かなかったがすごくささやかなサイズだった。僕の手が余裕で余る。でも健二さんの胸だと思うとたとえようもなく興奮した。夢中で触ったし、食いついた。触りたいと思ってた個所は全て触ったし、口で触れた。そして嫌がる健二さんを無視して準備をし、強引に腰を進めた。キツかったけど、すごく気持ち良くて、健二さんが漏らす少し苦しげな声に煽られて、夢中で突き上げた。
 とにかく夢中で、よく覚えていない。
 一回めが終わった後、健二さんの中から引き出して繋がった個所を見ると、入口が赤く充血しひくついていた。そこにゴムから漏れた白い精液と健二さんの血がついていて酷くやらしかった。
 ―――――それでまた火がついた。
 結局、持っていたゴム全て使ってしまった…。
 ゴムは健二さんのところに通う交換条件として母さんから持たされていた。
 東京へ通う理由を母さんに話した時、母さんは「ちょっと待って」と言って奥から布の小銭入れを取ってきて渡された。
「あんた、小磯くんとこ通うならこれを見に付けとくことが条件だから」
 お小遣い?と思いつつ中を開けると相模ゴムと書かれたメーカーの正方形の小袋が3個入っていた。初めて見るがこの形状と透けて見える中身から見て避妊具だと分かった。
「!?」一気に顔が赤くなった。
「使い方は分かるでしょ?必ず持ってくのよ」
「必要ない」
 だって片想い中なんだから使う機会なんかあるはずない。
 だからつっ返そうとすると
「駄目、これ持ってかなかったら行かせないから」
 母が強硬に言うもんだから折れて持ってくようにした。
 でも、あれが本当に役立つとは思わなかった…。
 持ってなかったらいっぱいっぱいの自分は生でやってたに違いない。そんなの最低過ぎる。
 健二さんと付き合うことが出来たことを伝えたので、多分使ったことを母は勘付いてると思うが何も聞かないでいてくれるのが有り難い。
 ホント、予想外なことばかりだ。
 口約束だけど許嫁の関係から始まった僕らだからすんなりと恋人になれると思っていた。でも実際はぜんぜんだった。
 多分、これからもいろいろあるんだろう。
 でも二ヶ月間諦めなかったように自分が諦めなければ大丈夫だ。
 そう思うようにしていた。
『あきらめたら負け』
 これは健二さんから教わったことだ。

 目下の悩みは次に健二さんとこへ行くときに、ゴムをどこで買うかだ。
 実家暮らしでは通販も出来ないし、近所では買えないから出先でこっそり買うしかない。
 使えるかどうかわからないけど用意しとくにこしたことはない。
 週末が待ち遠しくて仕方なかった。




END
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何枚か渡し忘れがあるようなのでこちらでupすることにしました。
物分りのいい大人の振りしてたけど佳主馬くんも結構いっぱいいっぱいだったんだよーって補足的内容です。

2010.4.5
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