久保時生誕祭2007 投稿作品


[49] 時任おめでとーーっvv  
■夜海深 [HOME]  投稿日:2007/09/09 (Sun) 15:50    
来年は絶対食べ物をくぼちゃんには、あげない。

あの後はひどい目にあった。

生クリームっていうのは、まぁ少しばかりの嫌がらせもあったけど……。

なにもあんなことしなくてもいいじゃないか。

お風呂が大変だっただろうが!

……生クリームを捨てなかっただけ、マシと思った方がいいのかなぁ。

とにかく、くぼちゃんに食べ物は絶対あげないことにした。

そう、決意を固めてる俺に対してくぼちゃんはさっきから、ニヤニヤと見ている。

お前さ、前から云いたかったんだけど、ポーカーフェイスが最近ないよな。

いや、あるけど俺に対して最近少なくねぇか?

でも絶対肝心な時は崩しやがらねぇから、ムカつく。

俺は睨みつけるみたいに、くぼちゃんを見た。

「時任」

見たら、くぼちゃんは俺を呼びつけて、手招きしてくる。

「なんだよ」

素直って罪だなぁ、なんてくぼちゃんが思ってることも知らないで俺は、くぼちゃんがいるダイニングテーブルに寄った。

近寄るとくぼちゃんに腕を惹かれ、

「わっ」

音を立ててキスをされた。

「くぼちゃんっ!」

くぼちゃんは慣れてるのかもしれないけど、俺はこういう行為が苦手だ。

決して嫌いではないけど、苦手だ。せめて心の準備をしてから。

「何、変な顔してるの」

もう一回チュッてされた。

「そーいうことすんなよっ」

「時任だって俺の誕生日の時に、不意打ちしたじゃない」

「は?」

……俺、くぼちゃんにちゅーなんてしてねぇぞ。

困惑している俺を見たくぼちゃんは、苦笑して「わからないならいいよ」と云った。

「俺、くぼちゃんに何したっけ?」

「あーん、ってしてくれたろ?」

まぁ、他にも膝の上に馬乗りだとか、その後の俺の舐めた自分の指を舐めたりだとか……なんていうのは、久保田の心の中だけで留めておく。

「アレがなんだよ」

「恥ずかしいとか無かったの?」

「なんで。スプーン無かったから指でやっただけじゃん」

くぼちゃんが云いたいことがよくわからない。

不意打ち、ちゅーとあーんを比べてんのか?そんなの確実にちゅーの方が、恥ずいだろ。

「天然だなぁ」

「もう、くぼちゃん意味わかんね」

「時任は、そのままでいてね、って云ってるの」

よしよし、と頭を撫でられてから、腕の中に抱き込まれた。

座ってるくぼちゃんに対して、変な形で抱き込まれ、結構辛い体勢。

そして、唇が耳に近づきまるで秘め事を話すみたいに。

「誕生日、おめでとう」

鼓膜を震わせ、脳に届いた其れは、俺の顔を赤くするには充分な威力を持っていた。

「あ、あ……ありがと」

少しだけ体を身じろいで、くぼちゃんに腕をまわした。

「……プレゼント、貰ってくれる?」

「うん……当たり前だろ」

じゃあ、と云ってくぼちゃんは俺から離れた。

それから俺に、ソファに行っていてと云う。

大人しくそれに従って、くぼちゃんを待っていれば、見覚えのある銀のボール。

「……」

え、何、このデジャヴ。

「時任君の為に、季節外れの果実を」

見せられた中身は、苺。

赤い、小さな果物。

「どーぞ」

その赤い実を手にとって食べていく。

「おいし……」

「良かった、あ、コレだけがプレゼントじゃないから。あとでちゃんと欲しいもの買いに行こうね」

「別にいらねーけど」

「いいからいいから、ね?」

渡される苺は、甘酸っぱさを口一杯に残していく。

食べてる俺を不意に名前を呼んで、動きを止めさせる。

「くぼちゃん……?」

ゆっくりとした動作。

キス、されると思ったのは唇がくっつく数秒前で。

「……んっ」

口の中に広がるのは、いつもの煙草の味じゃなくてさっきまで食べていた赤いあの味。

「……もっと食べさせていい?」

口の中で果実が落とされ、それが飲み込まれたら、くぼちゃんがそんな風に聞いてきた。

俺が、躊躇いがちに頷けば、くぼちゃんは苺を一口噛んで、俺の口へと運ぶ。

何度も繰り返される行為に俺は、ただ縋って。

「時任」

「……なに」

「誕生日おめでとう」

もう一度囁かれた言葉と苺味のキスに溺れながら、自分の誕生日が、濃厚な夜になることを意識がとろけかかっている頭で思いながら、ゆっくりと目を閉じた。

end

懲りずに、時誕を投稿させていただきました。

苺です(笑
この後、久保田サンは親父発言をかましながら、時任とイチャコラするんじゃないかな、と思います。
生クリームと苺で、バースデーケーキって事で………(待て


犬'サマ、本当に今回素晴らしい企画を有り難う御座いましたv


■犬’  -2007/09/09 (Sun) 23:02 *1回修正
おお!生クリームはイチゴの前振りで久保時セットで極甘ショートケーキの出来上がりだったんですね!納得したらさらに甘く感じます〜!!甘甘だああああ!!!!!
なんか一番美味しい思いしてる親父な久保ちゃんにちょいジェラシー感じます。
私も生クリームプレ...(強制終了) ←でもこれは私だけじゃないはずだ!(笑)
誕生日らしい久保時セットありがとうございました!