Bath time play |
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絵:こまちさん |
二人に挟まれた麻衣はこの状況を整理してみた。 場所:風呂場の脱衣所 状況:ジーンに後ろから両手を掴まれ、ナルに服を掴まれている。 私:絶体絶命(ちょっと大げさ) 朱に交われば赤くなる(違う、だがナルだけ正しい) 前門の虎、後門の狼(正しい) ただの逃避なのでこの状況の打開策は出てこない。 「なんでナルまで参加してるのよ!」 「”負けたら一緒にお風呂に入る”でしょ?二人でなんて言ってないよー」 「三人でとも言ってないよ!」 「確認しなかった麻衣のミスだね。はい、ばんざーい♪」 「ヤダってば!」 麻衣は足をバタバタさせて抵抗するも、ナルの手を止める役には全く立ってない。ナルは麻衣の上着に手をかけて上に引っ張ると、ゆるいワンピースタイプのそれはスルリと容易く頭から抜ける。それをジーンが更に引っ張って手から抜く。相変わらずいいコンビネーションだ。しかもワンピースと一緒に下のキャミソールも一緒に剥ぎ取ったらしい。あっという間にブラジャー姿を晒してしまった麻衣だった。 「うぎゃあーーーー!」 「煩い」 「色気ないなぁ」 ジーンは嬉しそうにクスクス笑っている。ナルは煩そうに眉をしかめたが、その手は止めずに今度は麻衣のショートパンツに手を掛ける。横のボタンを外してチャックを下ろす。 「ちょッとヤダって!」 またもや麻衣が暴れてキックを繰り出した!だがその足をひょいと捕まえて動かせないように小脇に抱えられてしまう。そのまま固定し片手を伸ばして麻衣の腰の素肌に直に触れ、下着の中に手を滑らせた。柔らかいコットン素材のソレは薄いので、下着と一緒に引きずり降ろそうとする。 「ぎゃあああ!ギブギブ!自分で脱ぐからもう止めて!」 こんな風に脱がされるくらいなら自分で脱いだ方がマシ!と涙目で叫ばれたらさすがのナルも手を止めた。 しかし麻衣の背後で「ちぇッ」と聞こえたのは気のせいじゃないだろう。 * * * ![]() ちゃぽーん・・・ 「はぁ、いい湯だねぇ」 「「・・・・・・」」 温泉よろしく頭にタオルを乗せてご機嫌な感想を漏らしたのはジーンだけ、あとの二人は無言だった。 これが温泉で十分な広さの湯船の中で漏らすなら「そうだねぇ」と相槌をうつが、ここは都内のマンションでカルキ臭のある水道水を使って入れた多少広いかもしれないバスタブの中。比較的長身な男2名と小柄な女1名で入れば窮屈でしかない。とてもとても「いい湯だねぇ」などと言える環境ではない。 先に浴室に消えた双子の後に、自分で脱いだ麻衣は恐る恐ると浴室にはいったら、先に湯船につかっていた双子に「麻衣も入りなよ~」と手招きされた。何をされるか怖かったけれどただ並んで湯船につかりたかっただけのようでちょっと安心する。 「ジーンは温泉ごっこがしたかったの?」 「日本人は一緒にお風呂入って背中流しっことかして裸の付き合いをして親睦を深めるんでしょ?」 「銭湯とか温泉とかでやるならね。普通は家でなんかしないよ」 「そうなの?」 「うん。普通は同性同士でやるもんだしさ」 「でもナルと二人じゃ楽しくないし」 「僕だってご免だ」 「・・・それに巻き込まれただけなのね、私」 ジーンは日本のゲームや漫画が大好きだ。たまに「この漫画に出てた冷や汁食べたい」とか「このゲームの舞台になった歌舞伎町行ってみたい」とか言い出しては私達を巻き込む。 「ナル!男は裸の付き合いするもんなんだって!一緒にお風呂入って背中流しっこしよう!」 「断る。男二人で風呂に入って何が面白いんだ」 「んー・・・確かに。じゃ麻衣を入れて三人で入ろうよ♪」 「・・・・・・(反対するほど嫌ではないから無言)」 のような流れがあったに違いない。たしか今はPS2のラ○ドウとかいうのに嵌まっていたはずだ。どーせそんなシーンがあるんだろう。 「子供の頃一緒にお風呂入らなかったの?」 「うん。今はバスタブあるけど昔の家は無かった。あっちはシャワーが基本だから。こんな風に湯船に浸かる事はないんだ」 「そうなんだ」 「バスタブあっても底が浅いし、陶製だからすぐ冷めちゃう。日本みたいにゆっくりつかって温まる感じじゃないよ。追い焚き機能無いしねー」 「ふーん・・・」 なるほど、海外育ちだとそんなことすら珍しいのか。 「・・・ところでさ、何で麻衣はそんな僕から離れてるの?」 湯船には双子の間に麻衣がいるという配置だ。だが麻衣は真ん中ではなく明らかにナル寄りで、麻衣はナルに身を傾けている。ナルは満更でもないらしく大人しくしている。それがジーンは羨ましい。 「気のせい気のせい」 「もっとこっちおいでよ」 「駄目。私の第六感が危険だと告げている」 「ちぇー・・・じゃこっちから行くもんね」 ジーンはジリジリと麻衣に近づいてくる。 「駄目!ソレ以上近寄ったら出るからね!」 「えええ、何で嫌がるの?今更でしょ?」 「お風呂じゃヤダ!上せるもん!!」 「そんな無理させないから」 「この手のことに関してジーンの言葉はまったく信用出来ない!」 「あぁ!何で更にナルの方に行くのさ!」 「ナルはジーンと違うもん!変な事しないもん!」 「何言ってんの!僕もナルも考えてることは同じだよ!」 「行動にしなければ違うもん!」 麻衣が牽制のためにジーンへお湯を掛け、ジーンもそれに対抗し二人はバシャバシャとお湯をかけあって騒ぎ始めた。隅に追いやられたナルは非常に迷惑である。ギャーギャー煩いし、余波でお湯がかかるのも腹立たしい。 ナルの眉間の皺が一本増え、二本に増え、三本に達したら・・・ バッチャーン!!! 爆弾でも投げ込まれたかのようにお風呂のお湯が跳ねあがり二人を襲った! 「煩い」 「「すいませんでした」」 その後、ナルの監督のもとで大人しく三人で入浴したそうな。 しかし麻衣は湯あたりを起こしぶっ倒れたらしい。 お風呂で騒ぐのは止めましょう☆ ~~ 湯あがり後 ~~ ![]() 「あーあ、麻衣上せちゃった」 「お前がからかって騒ぐからだ」 「だって真っ赤になる麻衣が可愛いんだもん」 「うううう・・・」 体温が高いせいか麻衣はのぼせ易い。ナルに寝室に運ばれ寝かされ、水飲まされたり、額に冷たいタオルを当てられたりと甲斐甲斐しくお世話された。 「も、大丈夫。ありがと」 「そ?」 「そう」 顔色が戻った麻衣が二人を安心させるように言うと、二人は良かったと麻衣の頭をくしゃりと撫でた。撫でられる感触が気持ちよく、自然と目蓋が落ちる。 このままま眠ろうと思ったが、キシリ、とベッドがきしむ音に目を開ける。 すると半裸でベッドに乗り上げた二人と目が合った。 「ええっと、何、してるのかな?」 非常に嫌な予感をしつつも聞いてみると・・・ 「風呂場じゃ嫌なんだろう?」 「お風呂じゃなければいいよね?」 おキレイな笑顔とおキレイな無表情は揃って麻衣の上掛けを剥ぎ取った! 「あんたらやっぱソックリだぁあああ!」 「双子だもん」 「双子だからな」 寝室でも上せた麻衣でした。 (終わっとけ) |
期待された中間をあえて健全で仕上げたさ!天邪鬼なんさ!!おほほほほほ! 2011.5.6にコマちゃんへ送ったけれどupし忘れていたブツです。 |
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